再登校事例

強いストレスと解離性障害による不登校 女子中学生SKさん Vol.15

娘が泣かなくなった

(2010/9/25)
 
SKは制服を着て学校に行こうとするも、気持ち悪くなって帰ってきた。
 
新井先生より
 
「SKさんは、本当に大量にストレスの記憶がありますね。キリがないように思えるかもしれませんが、無限にはもちろんありませんので、大丈夫です。
 
25日は戻ってきて泣かなかったのですか?泣かなかったとしたらまた安定になったということですね。
 
あと、何か記憶を見落としている可能性は忘れないでください。まだ何か思い出していない記憶があるかもしれないと思っていてください」
 
とのこと。まだあるのか…
 
 
(2010/9/27)
 
父親のカウンセリングを無事終え、新井先生に報告を受ける。
「ゾロゾロと(ストレスの記憶が)出てきました」。
 
父親もTFTのやり方が理解できたよう。
 
父親が記憶をなかなかうまく処理できないと、SKが父親にやり方を助言する。今までにはあまり見られなかったこと。
 
しかし、うまく処理できない父親の様子に私が苦しくなってしまい、母として妻として根を詰めすぎたらしく、二人の前で「二人も面倒見れない!」と泣いてしまった。
 
それを聞いた新井先生に「TFTを少しお休みしたらどうですか?」と提案いただく。それまで休もうと思わなかった自分に驚く。

解説

SKさんの根本的な安定化がいよいよ顕著となってきました。

朝の登校がうまくいかなくても以前のように泣き崩れることなく、理論的に冷静に、ストレスの記憶を分析。

これは精神状態が悪かった時には、まったく不可能だったことでしょう。

お父さんのカウンセリングは、今でも私にとって不思議なカウンセリングでした。

まるで夢か幻のような、非現実的な幼少期の記憶が、お父さんの口から次々と語られるのです。

これは今考えれば第3因子によるものと思われます。

今ならその記憶を冷静に解析したでしょうが、当時はまだ第3因子について明確に分かっておらず、かなり手間取ってしまいました。

しかしこれを機にお父さんはガラリと行動が変わったそうです。

お母さんによると

「朝あれほど出社するのに気持ちも身体も重い様子を見せていたのが、カウンセリング以降、軽々と起き、軽々と出社したり、

家で絶対に仕事をしようとしなかったのが、(仕事を持ち帰ってきて)するようになったり、

保険の外交員が来ても今まで絶対に対応しようとしなかったのが、自らが応対していたり、驚くことばかりです」

とのことでした。

誰も指示も指図もしないのに、自発的に行動が変わる。これが不登校セラピーの神髄です。

ストレスの記憶の除去(五感の記憶の変容)は、従来の医学や心理学では不可能な、「根本的な改善と、自発的な行動の変化」という絶大な効果をもたらします。